福元一義様

拝啓

2008年（平成２０年）の新春をどのようにお迎えでしょうか。

ファンレターというにはおこがましいのですが、２００７年1月1日付けの南日本新聞で「夢継ぐ鹿児島人」という特集版があり、手塚治虫先生のマンガのチーフアシスタントとして長年活躍されたことを知り、さらにそこに「鹿屋高校から日大芸術学部に入り、手塚の『サボテン君』担当となった」という記事を読んで、勝手にご縁を感じているものですから、1度お手紙をさしあげてみたいと思っていました。

１年越しになりましたが、とりとめないことを書かせていただきたいと思います。

ご縁を感じていると書きましたのは、実は私も鹿屋高校の昭和５３年の卒業生になるからです。今年実家に帰って鹿屋高校のＯＢ名簿を見ていたら、１期生に「福元一義」のお名前があったのですが、そうだとすると大先輩ですね。

そして、もうひとつ、私の母は野里の出身で昭和7年生まれです。戦争が終わってからは第一鹿屋中学の卒業生になったようなのですが、中学校はどちらですか。

私は子どもの頃、母から鹿屋の航空基地から特攻隊が飛び立っていった頃の話をいろいろ聞きました。

福元様も母と同年代のようですから、おそらく共通的な体験もあるものと想像します。

特攻隊の基地としては知覧が全国的に名前を知られていますが、鹿屋からも前途有為の青年がたくさん南の海に散っていきました。

このあたりのお話、手塚ファンmagazineの連載（アシスタントの日記帳）で少し拝見することができ（第５１回〜５３回）、楽しみにしていたのですが、１９０号で「体調をくずされたため休載」とのお知らせがあり、その後１９６号で５４回が文字のみでしたが再開され、「ああよかった、お元気になられたのだな」と思っていたのですが、また、途切れてしまい心配しています。

体調のほうは回復途中なのでしょうか。無理はなされないようにしていただきたいのですが、是非、体調がよくなったら再開してください。

そして、いつか手塚作品に関わったアシスタントのすべてを網羅したような本を上梓していただけたらと思っております。

本当にとりとめもない文章になってしまいましたが、福元様の健康を心の底から祈念しつつ、結ばせていただきます。

敬具



２００９年の元旦に思いもかけず、福元一義さんから年賀状をいただきました。
　　　　　　　　　ただもう、うれしいばかり。（見れるようにしてしまいました。ポン太の上でクリックしてください。）